【映画】あのこは貴族|生きる階層(セカイ)の異なる女性たちの、人生の選択

好きなこと

東京の「見えない壁」を静かに鋭く描いた作品、あのこは貴族。
アマゾンプライムの有料配信を購入し、視聴しました。

あらすじ

以下、公式サイトより引用。

東京に生まれ、箱入り娘として何不自由なく成長し、「結婚=幸せ」と信じて疑わない華子。20代後半になり、結婚を考えていた恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされる。あらゆる手立てを使い、お相手探しに奔走した結果、ハンサムで良家の生まれである弁護士・幸一郎と出会う。幸一郎との結婚が決まり、順風満帆に思えたのだが…。

一方、東京で働く美紀は富山生まれ。猛勉強の末に名門大学に入学し上京したが、学費が続かず、夜の世界で働くも中退。仕事にやりがいを感じているわけでもなく、都会にしがみつく意味を見いだせずにいた。幸一郎との大学の同期生であったことで、同じ東京で暮らしながら、別世界に生きる華子と出会うことになる。2人の人生が交錯した時、それぞれに思いもよらない世界が拓けていく―。

印象に残ったシーン 3選

華子と美紀が初めて対面するシーン

幸一郎の婚約者である華子、幸一郎ととあるパーティーで仲睦まじい様子だった美紀。
友人の仲介によって、その二人が初めて対面するシーンは、本編映像の一部として公開されています。

<感想>
修羅場になることが予想される状況ですが、そうならない点がこの映画の面白さのひとつ。
相手を尊重し、それぞれ本音で話す様子が印象的です。
美紀の潔い引き際も美しい。

また華子や美紀が生きる世界(階層)の違いは、言葉による説明に頼ることなく、
会話の内容、登場人物の何気ない仕草や振る舞い、ファッション、移動手段など
映像の中で表現している点は見ていて引き込まれます。

華子が美紀の一人暮らしの部屋を訪ねたシーン

華子「すごく落ち着きます」
美紀「狭い部屋って落ち着くよね。」
華子「そうじゃなくて、全部、美紀さんのものだから」

東京の一等地で生まれ育った華子。
良い家、上質なインテリアや食器、一流の物に囲まれて暮らしていますが、
それらは自分で手に入れたものではなく、すべてそこにあったもの。
そういった意味で、「自分のものではない」暮らしをしていると感じている。

一方の美紀の部屋は家族との思い出の写真、
昔から使ってきた、おしゃれじゃないけど手になじむマグカップ、
自分で選んで購入したインテリアに囲まれている。
そんな美紀の部屋をみて、華子は落ち着くと感じた。

<感想>
人の家をみたら、おしゃれですね、素敵なインテリアですね、すっきり片付いていますね
などのありきたりな感想を言ってしまいそうですが、
「全部あなたのものだから、落ち着く」という華子ならではの視点が新鮮でした。

自分の力で手に入れられるものには限りがあるけれど、
自分で選んだものってやっぱり特別だよねと共感しました。

美紀が華子に向けて言ったセリフ

「どこで生まれたって、最高って日もあれば、泣きたくなる日もあるよ。
 でも、その日何があったか話せる人がいるだけで、とりあえずは十分じゃない?
 旦那さんでも、友達でも。そういう人って案外出会えないから。」

華子が美紀の部屋を訪ねた時、二人でベランダに出て外の風にあたるシーン。
何か悩んでいる様子の華子に対して、美紀は詳しい事情は聞かずにこの言葉を話します。

<感想>
この時の華子は幸一郎と既に結婚しており、
幸一郎とのすれ違いや義母との関係に悩んでいました。

心を許せる人が身近にいない環境だった華子は、
この美紀の言葉によって何かを決断したのかもしれません。

まとめ

周囲の期待を裏切らない、周りから浮かない「レールに沿った人生」、
自分の意志で「選んだ人生」。
レールに沿った人生は、生まれ育った環境によって大きく異なります。

「あのこは貴族」では、異なる世界(階層)を生きる人との出会いによって
それぞれの登場人物の選択が変化していく物語です。

格差や壁がテーマのぎすぎすした映画かと思いきや、
見ると前向きな気持ちになれる、繰り返し見たくなる素敵な映画でした。



20代/管理栄養士
手取り17万万円(ボーナスなし)から社会人生活がスタート。
都内ひとり暮らし経験あり。
現実を見つめながら、理想の暮らしを向き合う日々。

○好きなもの/こと
北欧食器、フィンランド、かため濃厚プリン、キャロットケーキ、
あんこ、なかしましほさんのおやつ、手間のかからない料理、中華そば、筋トレ、坂本裕二さんのドラマ、サカナクション

○興味のあること
他の人の好きな食器や食べ物、WEB制作

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