サカナクションで好きな曲のひとつ、「開花」。
アルバム「GO TO THE FUTURE」に収録されている楽曲で、
タイトルだけ見ると明るい印象を受けますが、実際は曇り空のような静かな始まり。
そのギャップが印象的な一曲です。
歌詞に映る“開花”のその先
「開花」とは、
1 草木の花が咲くこと。
2 物事が盛んになること。また、成果が現れること。
と辞書にはあります。
でも、この曲は「花が咲いた瞬間の喜び」ではなく、
そのあとにフォーカスしているように感じます。
爪を噛んで僕は止まった
空に雲 影が覆った
中途半端に眠って 萎れた僕は草花と同じ
ゆらゆら花びらが サヨナラを言うようなんだ
引用元:サカナクション「開花」歌詞より
努力が実り花開いたあと、花は少しずつ枯れていく。
その儚さや虚しさ、エネルギーを使い切ったような疲れ、焦り…
そうした感情を表現しているようにもみえます。
サカナクションの曲が好きな理由
私がサカナクションの曲を好きな理由のひとつは、
「元気を出して!」みたいな圧がないことかもしれません。
ただそのままの自分で、リズムに身を委ねて聴いているだけで、
不思議と心が落ち着いてくる。そうした魅力があって、昔からずっと聴き続けています。
歌詞が理解しきれないのも良いのかもしれません。
頑張って、花開いて、枯れて、でもまた芽が出て。
そんな植物みたいな日々の繰り返しの中で、
サカナクションの音楽は無理に引っ張らず、そっと寄り添ってくれる友達のようです。
千年先の木々になりたい
「開花」のラストの歌詞が特に好きです。
千年先の木々に 僕が生まれ変わりたいのは
知らなくて良い事知らずに ただゆっくり生きていたいんだ
引用元:サカナクション「開花」歌詞より
よくある「生まれ変わるなら何になりたい?」という問いに対して、
こんなにも静かで、深い答えは初めてかもしれません。
雑音の多いこの時代、何も知らず、ただゆっくりと揺れる木になれたら──
そんなふうに思わせてくれる一節です。
「開花」、いつかライブで聴ける日があるといいな。
(追記)
この曲は「GO TO THE FUTURE」というアルバムに収録されています。
もし気になった方がいれば、ぜひ一度、アルバムごと聴いてみてください。
現在はサカナクションの公式Youtubeでも配信されているようです。
https://www.youtube.com/watch?v=dBAXqAuJ_oQ